産後ケア研究センター
現在、少子化、晩産化、生殖医療による妊娠の増加等により、産後の心身のケアが必要な女性が増加している。『こども虐待による死亡事例等の検証結果等』によると、児童虐待による死亡事例は、生後間もないこどもが多くを占めており、その背景に母親の育児不安、養育能力の低さや精神疾患、産後うつなど、妊・産褥期の母親の問題が関与することが示されている。
このため、妊娠・出産・育児期において、養育支援を特に必要とする家庭を早期に抽出し、速やか支援を開始するために、保健・医療・福祉の連携体制を整備することが重要であるとされ、厚生労働省雇用均等・児童家庭局総務課長、母子保健課長より通知がなされた。
これを受け、各自治体では、将来の児童虐待予防を目的として、妊娠中から支援が必要な妊婦を抽出し、継続的な支援を行うために様々な体制作りがなされつつある。厚生労働省の「健やか親子21」の取組を受け、東京医療保健大学の所在地である品川区も、妊娠・出産・育児の切れ目のない支援である「しながわネウボラネットワーク」の一環として2016年6月より「産後ケア(日帰り)事業」を開始した。
この事業は、東京医療保健大学 大学院医療保健学研究科 医療保健学専攻 助産領域の教員および大学院在学生、修了生を中心として、産後ケア(日帰り)事業の従事者研修の企画・運営、事業評価等を実践し、品川区と事業連携を実施している。