ここ最近レジリエンスという言葉をよく聴くようになってきました。それまで「折れない心」「逆境力」などと言われていたのですが、ここ最近では「レジリエンス」と言っても了解を得られるようになってきました。米国心理学協会では、レジリエンスを「逆境やトラウマ等、大きなストレスの原因に直面した時に、適応するプロセス」と言っています。よく言われるたとえですが、風が吹いたときに、まっすぐな大木は折れてしまいますが、柳や竹はゆらゆらとしなやかに吹かれていて折れない・・そんなイメージで考えていただければよいと思います。
私たちが逆境に陥った時には「どうしよう」「だから自分はだめなんだ」とネガティブな感情がどんどん湧き上がって無限ループ(ネガティブスパイラル)のようになります。こんな時は、じっとしていないで、とにかく身体を使って行動を起こしましょう。ストレッチ、ウォーキング、そうじ、茶碗洗い、何でもいいのです。または、ちょうど息が鼻を通ることを感じてゆっくり呼吸をして、「今、ここ」で呼吸をすることに集中して気持ちを落ち着けてみましょう。
私たちが逆境に陥った時には「どうしよう」「だから自分はだめなんだ」とネガティブな感情がどんどん湧き上がって無限ループ(ネガティブスパイラル)のようになります。こんな時は、じっとしていないで、とにかく身体を使って行動を起こしましょう。ストレッチ、ウォーキング、そうじ、茶碗洗い、何でもいいのです。または、ちょうど息が鼻を通ることを感じてゆっくり呼吸をして、「今、ここ」で呼吸をすることに集中して気持ちを落ち着けてみましょう。
そのネガティブ感情をおこした状況を振り返ってみるのもいいと思います。こんな感情になるのは、何か自分の「思い込み」「考え方のクセ」がないのかを探っていきます。同じ状況でも感情の反応は人によって異なるからです。たとえば「メールの返信が来ない」という状況に対して、「私は嫌われた」と落ち込む人もいれば「きっと忙しいのね」と相手を気遣う人もいるでしょう。「きっとこうなんだ」と思い込むのではなく、「でもこんなことも考えられるかな」と考えをしなやかにする練習をすると少しこころが楽になると思います。
イローナ・ボニウェル博士のレジリエンスのプログラムでは、「I HAVE」「 I AM」「I CAN」「I LIKE」の4つの構成要素を、レジリエンスマッスルと呼んでいます。マッスルというからには、実はレジリエンスは筋肉のように鍛えられると言われています。
I HAVEでは、自分のサポーターとなってくれる人、過去に大変な時にお世話になった人を思い浮かべてみましょう。きっと自分の持っている宝物に気づくはずです。I AMでは、自分の得意なこと、強みを考えてみましょう。周りの人にも「私の強みは何だと思いますか?」と聞いてみてください。すると自分でも気づかなかった自分の宝物を発見できると思います。I CANでは、過去に自分が体験した困難な状況を思い出して、どのように乗り越えたのか、その時の体験から学んだことを思い起こしてみましょう。きっと自分の隠れた財宝に気づくはずです。I LIKEでは、自分の大切な人の写真や楽しかったことを考えましょう。わくわくして自分の楽しむ力を感じませんか。
私たちが生きてきたこれまでの人生を振り返れば、いろいろなことがあったはずです。「今、ここ」に私たちがいるということは、実は逆境を乗り越えてきたということなのです。自分では意識していなくてもレジリエンスの力を発揮してきたということです。私たちは実はすでに宝物をもっている、その気づかなかった宝物を掘り起していく作業のことを、レジリエンスを鍛えるということかもしれません。